友人と少しアオイホノオの話をしていたので焔君です。
私は島本先生を知る切っ掛けはアニメ店長だったんですけど作品をちゃんと読んだのはここ数年のことで、入り口は燃えよペン・吼えろペンでそこから過去作を色々漁るうちに連載中の作品も見てみたいと思ってアオイホノオを一気に買って読んだのですが、吼えろペンのあとに読む作品としてはもうこれ以上ないってくらいホラーで。すっっっっごく面白いけど最初の方なんて創作をやる人間としてはこんな怖い漫画ないでしょってくらい怖くてですね。
人の作品を見てああだこうだ言いながら俺はまあもっと凄いものが描けてちゃっちゃとプロになれるんだっていう姿勢で10巻くらい肝心の自分の作品を描かずに進んでいくのでこれがもうね・・・こわすぎてですね・・・た、たのむー!早く漫画を描いて読者を安心させてくれー!って祈るような気持で読んでいました。
最近の話は焔君は漫画をちゃんと描いてるから明るく面白く読めるけど、最初の方がとにかく怖すぎるのでめちゃくちゃ面白いけど人には勧めづらいなあという印象の作品です。
焔君の作品に対する向き合い方とかマインドとかやらかし具合とか、とにかくそういう所は創作をやる人なら程度の差こそあれまあ大体の人は通るんじゃないかなと私は思っていて、自分なんかはあそこまであからさまでなくとも多分全部やってる気がするな・・・と思っています。そういう怖さもある。劇薬みたいな作品だよなこれ。
個人的にうわーこれあるあるだしこえーなと印象的だった話は自分の中の最高を詰めた自主制作アニメを作りきっていざ上映したら全然反応がなくて、次に流れた献立ムービーで場がどっかんどっかんウケて自分の出した作品の程度を思い知るっていう回なんですけど、あれは本当にきつよなーと。
そしてその話を私はいつかのアナコンの帰りの飛行機の中で読み返していて、自分の同人誌についてああなんてものを出してしまったんだ手に取った人はがっかりしたろうなあ・・・と勝手にめちゃくちゃ落ち込んでそのまま体調を崩し1週間ほど寝込んだなんてことがありました。(ちなみにその本はありがたい事に感想を頂けたので少し持ち直しました)
でもなんかあの、作品を作っていない時期でも焔君なりに真剣にアニメ・漫画の事を考えていて大好きなのはめっちゃ伝わってくるし、デビューしてから業界の過酷な話を聞かされてうおおおおプロはこうなのか、なんてカッコイイんだ!となったりする姿というのは、わかる、わかるよ・・・!!!となるので目が離せないんですよね。なんていうか終始熱いというか島本先生のでっかい愛なんだよな。愛がないとああはならんやろというか。
ちなみに松本零士の「男おいどん」という作品を知る切っ掛けがアオイホノオだったので、面白い作品に出会う切っ掛けをありがとう的な作品でもあります。
巻数を重ねるごとに面白さと切れ味を増していくのでわくわくと次の新刊を楽しみに待っていますが、それはそれとして今めっちゃ欲しい島本先生の本は冬コミ新刊予定の水星の魔女グエル君本だよ。あまりにもほしい。通販あるって信じてます。